台湾メーカーの SSD にしよう!
そうと決まれば、さっそく中堅どころの商品ラインナップをチェックだ。
SSD を出しているのは、
ADATA 、Silicon Power 、Team Group 、Transcend といったところ。
このうち Team は2019年7月発売のものでも日本に出回っていないのか、購入できる見込みがない。よって除外。
また Silocon Power もアブナイ橋を渡りたい向きには魅力的だが、かなり “お御籤” で運試しさせる新製品をプッシュしているためか、安定した性能の製品が手に入りにくい状況。残念だが除外。
システムドライブとして使用したいことを考慮して、冒険せず ADATA と Transcend の SSD を見てみることにしよう。
ADATA の SSD ラインナップは
500GB 〜1000GB の容量をもつ、MLC あるいは TLC のラインナップは以下のとおり。
中枢部
容量と価格
SU650 は優秀なコントローラを採用して、キャッシュなしでも快適な稼働を実現したというが、やはり少々無理をさせているのか、あまりいい評判をきかない。
やはりここは SU800 か、奮発して SU900シリーズを狙っていくのがいいかもしれない。
Transcend の SSD ラインナップは
500GB 〜1000GB の容量をもつ、MLC あるいは TLC のラインナップは以下のとおり。
中枢部
容量と価格
おおお、ADATA に比べると割高感がすごい!
上記の4シリーズで、1GB 単価で ADATA と同等なのは SSD230S のみではないか。
なんでこんなことになっているんだ?(^_^;
性能比較 ~ MLC と TLC
海外のレビューサイトを見ていると、MLC と TLC ではずいぶんと違うのだなと思い知らされる。
The SSD Review(英語)の、以下の記事が参考になった。
ADATA Ultimate SU800 SSD Review (512GB) – More 3D TLC For The Masses – October 27, 2016
ADATA Ultimate SU900 SSD Review (512GB) – 3D MLC, But At What Cost? – September 22, 2017
上記の記事から画像を引用して、ADATA の SU800(TLC)と SU900(MLC)の書き込み速度のベンチマーク(HD Tune)結果を比較してみる。
SU800(TLC)の HD Tune フルテストの結果
「落ち込み」というやつである |
SU900(MLC)の HD Tune フルテストの結果
こちらにも落ち込みはあるが |
勉強不足ゆえ、どうしてこうなるのか、どうしてこのような差が出るのかを簡潔に説明することはできない。高速バッファとかキャッシュの容量を超えて溢れてしまうと、もろに低下するらしい、と漠然と思うのみ。
しかし、上図が何を表しているかは、言える。
HDD のような円盤構造ではないのに、やっぱり、使っているとだんだん遅くなるんだなあ、ってことだ。
TLC の SU800 は、SSD の総容量 512GB のうち 60GB を使ってしまうと、その残り部分に書き込むときは速度が 500MB/秒から 50MB/秒と10分の1に低下してしまう。
一方で MLC の SU900 は、半分をやや過ぎた 256GB 付近までは 500MB/秒を保ち、落ちたとしても 100MB/秒と5分の1にとどまる。
これだけを見ても、MLC にしておこうかな?という気持ちになる。
ひとつのセルに3bit ずつ書き込む TLC に対して、MLC は2bit 。よって、速度という意味では TLC が勝る。しかし SSD は書き込み回数の上限がすなわち寿命でもある。無駄な書き込みの少ない MLC のほうが寿命が長く、整頓して書き込まれるためにデータ保持の信頼度も高いという。
もちろん寿命の問題をメーカーが放置するはずもない。TLC であっても SLC のように書き込み回数を1回にまとめることができるようにキャッシュを利用する「SLC キャッシュ」機能が昨今では必須のようだ。
とはいえ、とはいえ。
ビビリであるから、心は MLC に傾いている。
性能比較 ~ ADATA か Transcend か
ADATA の MLC は SU900 。
Transcend の MLC は SSD370S 。
いずれにせんか。
セルビアのレビューサイト AXE で、両者の 256GB を比較していた。
サイト名が AXE だけあって、バンバン殻割り(ケースを開いて中の基盤やチップを確認すること)している。
ADATA Ultimate SU900 256GB – August 31, 2017
Transcend SSD370S 256GB – June 30, 2015
Google 先生のお力で英語に翻訳してもらって、つらつら読んでみると。
(……あっ、SU900は割ってない。チップの正体がわかってるから、だって。)
SU900 は、5年保証。
また、無論 SLC キャッシュ機能を搭載しており、肝心の TBW(Total Byte Written 、総書き込み容量)も、512GB 版は公称値 400TB とのこと。毎日 100GB 書き込んだとしても4000日、つまり10年以上の寿命があるわけだ。ナニソレ。動画編集などで大きなデータを毎日扱っても安心だね、とまとめるが、ビビるわ。
ベンチマーク的には、ランダムアクセスを多スレッドでテストしたときの成績がよいらしい。
対する SSD370S は、3年保証。
TBW は公称値で最大 408TB というから、まあどっこいどっこい。
コントローラは、前掲の表と異なり Transcend P2TY53.00 とある。セルビアのレビュワーさんも「このチップの中身が何であるか詳細はわからないが、SF2281 ではないらしい」と書くにとどめている。ていうか、この書き方。セルビアでも Sand Force は嫌われているのか(^_^;
(このあとベンチマーク結果を考察するたびに、「ほら、SF2281 だったらこんなによくない」「SF2281 からはかけ離れた数値」とか、いちいちそこを掘り下げている。よっぽど嫌いなんだな、いや、わかるけどw)
各種ベンチの結果で比較のグラフがあった。
たいへん申し訳ないことだが可読性のために改変させていただいた。
そのレビュワーさんも顔アイコンに冴羽獠を使っていることだし、許してもらおう(笑)。
とにかくズラズラ貼り付けてみる。
グラフは read と write の各パフォーマンスをひとまとめとし、上から SU900 、SSD370S の順に並んでいる。
いずれも、SU900 のほうがよい成績を収めているのがわかる。
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