オナガ(尾長、azure-winged magpie, Cyanopica cyanus )はいつも大家族だという知識はあった。
4~6羽は当たり前、ときに10羽を超す群れを作り、華やかなブルーの尾羽をひらひらさせながら枝から枝へと舞い渡る。群れが地面に舞い降りる様子は、さながら南国。これで声さえ美しければ……と思うなかれ、彼らの「さえずり」は想像以上にトロピカルだ。
とはいえ、「地鳴き」の声がグェーグェーうるさいのは事実。
さえずりは、なかなかチャンスに巡り合わないのか、ネットを探しても見当たらない。ものすごくかわいいので、いつか録音したい。
さて、自宅の窓から見える電線で、オナガの家族に出会った。
この夏はオナガが自宅周辺にいっさいおらず、この界隈には来ないのかな?と寂しく感じていたのだ。
だが、10月8日の朝、声がきこえたので窓辺にすっ飛んでいった。
電線に止まっているのを見て、カメラをひっつかんで窓辺に戻る。
そーーーっと窓を開け、夢中でシャッターを切る。
ずいぶんと老いた個体だ。
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ヒラリと舞って柱の左にやってきた |
だが、これはボスのようだ。さては、長老だな。
家族が楽しげに木々の葉陰に出入りするあいだ、この長老はここでじっと周囲を警戒していた。
それもそのはず、幼鳥がいた!
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凛と胸を張るが、いかにも幼い |
ぽわっぽわの首まわり、発達途中のくちばし。
ああ、なんて可愛らしい。
成鳥もそばにいる。直接の親かもしれない。
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お目付け役。現役世代っぽい |
樹間を渡り飛んでいたために、何羽の家族なのかは結局わからなかったが、ひとつ思ったのは、オナガの家族の世代バリエーションがこれだけ豊かならば、そりゃ大家族にもなるよな、ということ。
私にとって、オナガは瑞鳥だ。
独身のころ、私は多摩湖の南端ぞいの道を通って駅まで通っていた。駅に着くまでにオナガを見かけると「その日はいいことがある」と思うことに決めていた。さえずりを聞けたときには、もうそれだけで気分は一日中サイコーだった。
うれしいことに、長老は動画にも収まってくれた。
おまけ。
同じ日に、窓を開けずにガラス越しに撮ったシジュウカラ Parus minor 。
この子たちも「青い」というイメージだけど、けっこう黄色い。
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脚が、脚がカワイイ♡ |
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