2019年10月3日木曜日

【野鳥観察】初めてのカワセミ撮影

 
「翡翠」はもともとカワセミのこと。「翡」がオス、「翠」がメスなんだとか。
 
本物のカワセミ(英 common kingfisher, Alcedo atthis )を初めて見たのは10年ほど前、トトロの森で知られる東京・東村山の八国山緑地にてだった。
三脚を立ててビデオカメラを回すバードウォッチャーが、ほらファインダーを覗いてごらん、と見せてくれた。
ビオトープの水面に突き出た枝のてっぺんに、しゃんと胸を張り。見られることに慣れたオスのカワセミがじっとしていた。
 
その後、東村山を離れたが、今年またトトロの森の近くに戻ってきた。私の実家のそばだ。
こんな近くにいたなんて。知らなかった。
 
 

 
アオサギとチュウサギの仲良しさん
 
巨大な人工湖あり、細かい河川も多くありという当地は、水鳥が本当に多い。
 
最近気になっているのは、アオサギ Ardea cinerea といつもつるんでいるチュウサギ A.  intermedia だ。
(もしかしたら、ダイサギ A. alba かもしれない。「アオサギより小さい」というだけで判断しているが、ダイサギもアオサギより小さいことがある……。今度しげしげ確かめてみよう。)
まさかカップルじゃあるまいな、なんて思うほど、いつも一緒にいる。あるいは、はぐれたヒナを育てて、義理の親子になったのかもしれない。
(アオサギがダイサギと種間交雑する例は稀にあるらしい。)
 
「いつも」と断言したくなるくらい、いつも一緒にいるんだけど、一緒のときは私がカメラを持っていない。カメラを持っているときは、2羽ともいないか、片方しかいない。マーフィーめが。
 
 
だが今日こそ!
と、意気込んで、朝10時、彼らの縄張りにほど近い場所にこの夏オープンした店を冷やかしてから、いざ撮影ポイントへ!
 
しかし、いなーーーい!!!
 
アオサギお気に入りの、とある民家の屋根の上に、いないではないか!!!
(そこのご主人いわく、「アオサギのフンは酸性で、屋根が傷んで困る……」とのこと。フン害は致し方なし……)
 
その民家が面する川(橋の下流側)にも、いないではないか!!!
 
 
 
ガッカリしつつ、橋の上流側、その50m向こうでは橋梁工事が行われているためにあまり野鳥が来ないほうに視線を向けると、………!!!???
 
なんだ、あの赤い小さいのは(おなか)。
なんだ、あの翡翠色は(せなか)。
 
まさに水辺の宝石

カワセミさんではないか!!!
 
 
 
あわてるな
 
いや、あわてる。
何しろ、前回別の橋からカワセミを見かけたのはバス停に向かって歩いていたときで、サッとスマホを取り出しただけで逃げられた。
カワセミの警戒心の強さは筋金入りだ。
 
今日はスマホじゃない。望遠レンズつきの一眼レフカメラだ。
アオサギ狙いで歩いていたために、すぐに構えられる状態ではあったが、あまりにあわてて、
 
……チューリップ形のレンズフードを橋の下に落っことした。
 
だがめげずにファインダーを覗く。
真っ黒でピントが合わない!
どうした、AF!
 
……レンズキャップがついたままだった。
 
そっとレンズキャップをはずし、素早く、しかし丁寧に確実にポケットにしまう(落としたくない((((;゚Д゚))))
 
 
しかし、つぶらな目のオスは、そんな私を観察していたのだろうか、ジッと待っていてくれた。 
なんてかわいいのだろう。なんて愛おしい。
 
ちょっと背筋を動かすだけで、この表情の変化

台風18号の影響で風が強かった。今日は風速5m/秒だったか。
動画(1分ちょい)は音声にノイズが多いが、さまざまな鳥の声も入っているので、未加工で残した。
 

風の音、さらに際立っているのは橋の上を通るなにかの作業車だ。ゆっくり走っていて、なかなか去ってくれない。撮影していて後ろを向けなかったので、どんな作業車かは不明。
 
川面を吹く風が画面上部の枯れ葉を揺らし、37秒付近でカワセミがビックリして飛び上がる。それでも、飛び立ってしまうことはなかった。いろいろと、たまらなくキュートだ。
 
ここ。スローにしてみた。こちらは音声なし。
キーフレームの都合で、例の場面までちょっと待たされるが、……まばたきもかわいいなあ。
 

 
 
別の橋でアオサギも登場
 
望遠レンズを構えて撮影している人がいれば、「何がいるんですか」と話しかけたくなるのは人情である。
臆病な野鳥を観察している身としては、できれば音は立てたくないのでおしゃべり禁物という場面もあるのだが、今日はこのノンキなカワセミのおかげで通行人とたくさん情報交換をした。
 
   やれ、あのアオサギのお宅は屋根を塗装することにしたのだとか。
   2日に一度はここを通るけれど、カワセミを見たのは初めてだとか。
 
水のある場所に住んでいるからだろうか、見応えのある美しい野鳥が身近にいれば、特段バードウォッチングが趣味というわけでなくても関心を抱く。そりゃ、そうなるよね、だって視界にいるのだもの、いつも。声がするのだもの、毎日。
 
 
通りがかりのご婦人とキャッキャウフフしていたら、さすがに潮時と思ったか、カワセミは飛び去って行った。背中の美しい翡翠色をたっぷり見せながら飛行し、どこに休憩場所(あるいは寝ぐら)があるのかまで教えてくれた。なんていい子なの。
 
 
大満足の心持ちでその場を離れる。徒歩でスーパーに寄り、別の橋でカルガモを眺めてから帰宅、と思ったが。さっきからサギの声がするんだよね。
 
ちょっとキョロキョロしたら、いた。すぐそこにいた。
当初狙っていた子ではないだろうけど、たまたま同じアオサギだ。
 
眼光するどい。けっこう好戦的

せっかく隠れてるのに、鳴いたらバレちゃうじゃん。
てか、そんな目で睨むなよ。
 
動画を撮ろうか迷っていたら、こちらはあっという間に飛び立った。
カメラを絞り優先から、あわててシャッタースピード優先に切り替えるが、うぐおおお!!! あかん。
 
でも、向こうの建物(農協)と比べて、アオサギのサイズ感が伝わるから、ピンボケでも載せる。ワサ、ワサ、ユサ、ユサと羽音がする。
 
でかい!

ちょうどそのとき、近くの郷土博物館の見学を終えた小学生たちが交差点で信号待ちをしていた。その頭上をアオサギが飛ぶ。迫力あっただろうなあ。
 
 
大きく旋回しながら飛行し、姿が見えなくなった。
しかし、まだ声がするんだよなあ、ちょうど私の帰り道のほうから!
 
カメラを構えつつ、途中、モズの高鳴きにひかれて民家の間をさまよいながらアオサギの気配を追うが、この日は結局それっきりとなった。
 
 
 
《本日の野鳥》
ハクセキレイ
カワセミ
アオサギ
モズ(声のみ)
スズメ
ヒヨドリ
カルガモ
メジロ
アオゲラ
キジ(声のみ)
 
 
 

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