2010年7月20日火曜日

“CA” Chapter VIIIの覚え書き(土星その1)

 
William Lilly“Christian Astrology”
―An Introduction to Astrology―
 
Chapter8(の覚え書き、土星その1)
 
Of the Planet Saturn, and his signification.
 
 
 
p57
 
【名称】
 
この天体は通常Saturnと呼ばれるが、いくつかの書物ではChronos、Phoenon、Falciferである。
 

Chronos =Cronos、Cronus ローマ神話のSaturnusはギリシャ神話のCronosに当たる
Phoenon =Phaenon ギリシャ語で"the shining one"(輝く者)であるとする説がネット上に多数。Prometheusが造った美しい若者で、ゼウスによって天に上げられた
Falcifer ラテン語で"one carrying a scythe"の男性形。すなわち、鎌を持つ男性
 
 
 
【位置】
 
土星はすべての天体のなかで最も高い場所にある。木星と蒼天の間に位置する。とても輝いているということはなく、またたいている。
 
supreamest =supremest supremの最上級。最高の、至高の、至上の
Firmament 天、蒼穹、天球の大空
glorious 栄光ある、燦然と輝く
 
 
 
【色】
 
土星は白っぽく、蒼白で、鉛色、灰色である。
 
Wan 青ざめた、血の気のない、蒼白な
Leaden 鉛色の
Ashy 灰色の、青ざめた
 
 
 
【動き】
 
動きはゆっくりで、12室をひとめぐりするのに29年157日ほどかかる。
 
thereabouts およそそのくらい
 
 
土星の平均運動は2分1秒である。日々の運行は、場合によって3~6分で、それより多いことはめったにない。
 
middle motion =mean motion 平均運動。天体の公転軌道は楕円なため、一日に進む度数は一様ではない。
そこで一周360度を公転周期(日数)で割り、一日の運動角度の平均値を出したものがmean motion。
 
 
 
【黄緯】
 
黄道からの緯度(黄緯)の最大値は、北は2度48分、南は2度49分で、これ以上になることはない。
 
 
 
【室】
 
土星は12サインのうち2つを居場所としており、すなわち磨羯宮は夜の居場所、宝瓶宮は昼の居場所である。
天秤宮で高揚となり、白羊宮で転落となる。宝瓶宮はジョイとなる(本来の座)。
 
 
 
【三区分(四相宮)】
 
土星は昼に空相宮をつかさどる。空相宮は双子宮、天秤宮、宝瓶宮から成る。
 
 
 
【ターム(境界)】
 
12サインすべてにおいて、以下の度数は土星のタームである。
 
白羊宮27~30   金牛宮23~26
双子宮22~25   巨蟹宮28~30
獅子宮1~6   処女宮19~24
天秤宮1~6   天蠍宮28~30
人馬宮21~25   磨羯宮26~30
宝瓶宮1~6   双魚宮27~30
 
※ 各サインの30度は、イコール次のサインの0度なわけだが。
 サインの若い度数をタームに当てているところも1~6であって0~6ではないところを見ると、1度ずつ前にずれるという解釈もありか?
 すなわち、
 白羊宮26から30未満?   金牛宮22~25?
 双子宮21~24?  巨蟹宮27~30未満?
 獅子宮0~5?   処女宮18~23?
 天秤宮0~5?   天蠍宮27~30未満?
 人馬宮20~24?   磨羯宮25~30未満?
 宝瓶宮0~5?   双魚宮26~30未満?
 
 
 
p58
 
どのような質問においても、天体がタームにあれば、ペレグリン、すなわち品位を得ていないことにはならない。
 
 
 
【フェイス(デーカン、十分角)】
 
天体がフェイスもしくはデーカンと呼ばれる度数のどこかにあれば、これもまたペレグリンとは言われない。
これは他のすべての天体にもあてはまる。

 土星のデーカン
 金牛宮第3デーカン 獅子宮第1デーカン
 天秤宮第2デーカン 双魚宮第1デーカン
 
Face 天体が自分のデーカンにある状態
Decanate =Decan サインを10度ずつに3分割し、それぞれ天体に割り振ったもの
 
 
土星の逆行は140日間続く。逆行前の留の状態は5日で、順行に戻る前の留はもっと長い。
 
Station =stationery 留(りゅう)。天体が天球上で一時停止しているように見える状態で、順行⇔逆行の境目で起こる見かけの現象。First stationeryは順行から逆行に移行する際の留、Second stationeryは順行に戻る際の留。ちなみに文具はstationary
 
 
 
【性質】
 
土星は昼の天体で、太陽の熱から遠いためにコールドでドライである。
また、感傷的で憂鬱質、胆汁質で、地の相、Masculineである。
大いなる凶星で、不気味さそのもの、悪い影響を及ぼすなどである。
 
moyst =moist 湿った、分泌物の多い;涙もろい、感傷的な
Vapours =vapors 蒸気;憂鬱症、気病み、気が滅入ること
Infortune 凶星、不運の相
Salitarinesse 独りぼっち;人けのなさ、荒涼としていること、不気味さ
Malevolent 悪意のある、他人の不幸を喜ぶ、邪悪な、有害な
 
 
 
【物腰、行動~土星の状態のよいとき】
 
発想力は奥行きがあり、所作は地味、無口で、発言内容や身体表現はひかえめである。
 
profound 知的な深みのある、洞察が深い
Imagination 想像力、創意;機転、機知
Act 行動、ふるまい
severe まじめな、厳格な;簡素な、地味な、渋い
reserved 堅苦しい、よそよそしい;遠慮がちな、無口な
spare ひかえる、はぶく、慎む;節約する
 
 
労働者なら忍耐づよく、論争や討論では深刻となり、人生で獲得するものは勤勉さと几帳面さで、何をするにもまじめである。
 
patient 辛抱づよい、根気のある
arguing 口論、主張
disputing 討論、討議
grave 深刻な、ゆゆしき事態の、重々しい
obtaining (努力して)獲得すること、手に入れること
studious 熱心な、学問に励む
solicitous 心配性の、几帳面な、念には念を入れる
austere 妥協のない、飾りけのない、禁欲的な
 
 
 
【物腰、行動~土星の状態の悪いとき】
 
ねたみがち、貪欲、嫉妬深く猜疑心が強い。
臆病、下劣、他人に対して本心を見せない。
怠惰で疑い深く、頑固、女性蔑視の傾向。
ほとんど常習的な嘘つきで邪悪、ぐずぐず不平を言って満足することはなく、いつも文句をもらしている。
 
envious うらやましげや、ねたましげな
covetous 貪欲な、強欲な
mistrustfull 人を信じない、疑い深い
timorus =timorous びくびくした、何かにおびえた、臆病な
sordid 浅ましい;強欲な
outwardly 外見は、表面上は;外向きに、外側に向けて
dissemble 感情を隠す、偽る、外見をよそおう、~のふりをする
sluggish 怠惰な、無精な、不活発な
stubborn 頑固な、強情な、意地っ張りな;手に負えない、強固な、不屈の
contemn 軽蔑する、侮蔑する
murmur ぶつくさ不平を言う、こぼす
contented 満足する、満たされた
repine 愚痴をこぼす、不満をかこつ
 
 
  
【体の特徴】
 
体の大部分は冷・乾で、中背である。
その顔色は青白いか、肌が浅黒いか、くすんだ色をしており、その目は小さく黒く、下ばかりを見ている。
広いひたい、黒か、くすんだ色の剛毛、大きな耳、つりあがって不機嫌な眉、薄いくちびると鼻を持ち、
あごひげは薄いかほとんどなく、顔つきはぶかっこうで不愉快、頭が前に突き出ているか猫背、肩は大きく広く、
ねじまがっており、胴はしばしば短くひょろりと細く、ももは痩せて肉付きが悪い。
膝と足は、度重なる土掘りやいさかいなどによって見た目が悪くなっている。
 
corporature =corporatura 構造、仕組み、体のつくり
a middle stature 中ぐらいの背丈の、中背の
complexion 顔色、肌の色;外観、風貌、様子
swartith 肌が浅黒い
muddy くすんだ色の
looking downward 下ばかり見ている、視線が下がりがちの
forehead ひたい、おでこ
sad くすんだ色の
rugged いかつい
hanging つりあがっている
lowring 機嫌の悪い
beard あごひげ
lumpish ぶかっこうな、うすのろの
unpleasant 不愉快な、意地悪な
countenance 顔つき
stooping 前傾した、猫背の
crooked ねじまがった
lank ひょろりと長い
spare やせた
lean やせた、肉付きの悪い
indecent 見苦しい
many times shoveling (金もうけのために?)何度も掻き込む
one against another いさかいをおこす、もめる
 
 
  
p59
 
【オリエンタル──土星が太陽に先んじて上昇しているとき】
 
身長はさらに短躯、しかし礼儀正しく、たいへん落ち着いている。
 
stature 身長
decent 礼儀正しい、品行方正な、非難されるような点がない
well composed ゆうゆうとした、落ち着いた
 
 
 
【オクシデンタル──土星が太陽のあとから上昇しているとき】
 
より色黒でやせており、頭髪はさらに少ない。
土星の黄緯の数値が少ないほどやせており、数値が多いほど肉付きがよく太っている。
黄緯が南ならさらに肉付きがよくなるが、身のこなしは素早い。
黄緯が北なら、毛深く肉付きがよい。
逆行前の留に入っていると背が小さく太っている。
順行前の留に入っていると、太っており、病気がちで体が弱い。これは他の天体でも言えることである。
 
fewer より少ない、少数の(fewの比較級)
again  〔別の事柄を述べるときに〕さらに、この場合も、そのうえ、やはり
If he wants latitude =If he lacks latitude(別の版では)。黄緯の数値が低い場合か?
fleshy 肉付きのよい、肥えた
hairy 毛深い
 
 
 
【地位と属性】
 
一般的に、農場主、百姓、物乞い、日雇い労働者、老人、父親、祖父、僧侶、イエズス会士、セクト派の聖職者を表す。
 
husbandmen 農業家、農場主、農夫の中でもある種の専門家
clown 百姓、小作人、田舎者
Jesuit イエズス会士、策謀家、危険な人物
sectarist セクト派の聖職者、他者に対して不寛容で偏狭な派閥意識の強いキリスト教の分派
 
 
 
【職業】
 
なめし革職人、汲み取り屋、鉱山労働者、スズ・ブリキ職人、陶器職人、掃除夫、鉛職人、煉瓦職人、
麦芽製造業者、煙突掃除、教会の使用人、ひつぎ持ち、街頭清掃人、馬丁、炭焼き人、荷馬車屋、庭師、
溝さらい人夫、ろうそく職人、染物職人、牧畜業者、羊飼い、牛飼い。
 
currier 製革工
night-farmer skyscript.co.ukによれば、「emptier of cesspits(肥溜めを空にする人)」
miner under ground 鉱山労働者
tinner スズ職人、ブリキ職人
potter 焼き物師、陶工、陶器職人
broom-man ほうきを持つ人、掃除夫
plummer =plumber 鉛職人、鉛細工職人、転じて鉛管工、配管工
malster =maltster 麦芽製造業者、ビール職人 すなわちmalt-stere
sexton of churche 寺男、教会の使用人、用務員
bearer of dead corps 棺や遺体の運搬人
scavenger くず拾い、くず屋、街中を清掃する人、廃品回収業者
hostler 馬丁
collier 炭にかかわる仕事の人、石炭商、炭坑労働者、炭焼き など
carter 荷馬車の御者、荷馬車屋
ditcher 側溝を掃除する人
chandler ろうそく職人、ろうそく商、雑貨屋
dier of black clothes =dyer 僧衣を黒く染める人
herdsman 牧畜業者、家畜の所有者
 
 
  
【病気】
 
生じやすい障碍は以下の点。右耳、歯、風邪の進行したものを含むすべての四日熱、ドライ、黒胆汁質(憂鬱質)、
ジステンパー、癩病、鼻カタル、肺結核、ワイル病、麻痺性不随、ふるえ、無用な恐怖感、幻覚、むくみ、手と足の痛風、
卒中、過食症、痔からの大量出血;天蠍宮、獅子宮に土星がある場合、金星との悪いアスペクトがある場合は、脱腸。
 
impediment 障碍、身体障碍
quartan ague 四日ごとに起こる間歇熱、おもにマラリアによるもの
distemper ジステンパー
leprone =leprom、leprosy leprosy は癩病、leproma は癩腫
rheume 鼻カタル
consumption 〈古〉肺結核
black jaundy =black jaundice 直訳すると黒色黄疸だが、ワイル病(黄疸出血性レプトスピラ症)のことか。
palsy 麻痺、中風、後天性の麻痺による不随 
trembling ふるえ、振顫
vain fear 無駄に怖がること
fantasy 空想癖、幻覚
dropsie =dropsy 水腫、浮腫、むくみ
gout 痛風
apoplexy 卒中、溢血
dog-hunger 過食症(bulimia) 過食症は、ギリシア語で Kynorexia といい、これは fames canina すなわちdog hunger の意。
too much flux of the hemoroid =hemorrhoid 痔からの大量出血
rupture ヘルニア、特に腹壁ヘルニア、脱腸
 
 
 
【味や香り】
 
酸味、苦味、強い香りや味、人の体では脾臓をつかさどる。
 
sower =sour
bitter 苦い
sharp 苦い、酸っぱい、辛いなどの程度が強い
principally おもに
spleen 脾臓
 
 
 

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