2014年5月16日金曜日

中国・寧夏回族自治区の民話『金の亀』

 
 昔々、ある大きな山のふもとに、働き者で心優しい若者が住んでいました。若者は早くに両親に死なれ、とても貧しくてお嫁さんをもらうゆとりもないほどでした。
 
 その日も若者は、山に柴刈りをしに出かけました。お昼時、お腹がすいたので、若者はお弁当のパン2つを食べようと、仕事の手を休めました。
 すると、若者の背後から声がします。
「この老婆に、なにか食べるものを分けてくれないかい」